aamall

January 2007

January 31, 2007

学生服に付いた墨汁の染み抜き

墨汁のシミは、取れないシミの代表格ですよね。
僕も、正直好きなシミじゃありません(笑)

ニカワという成分+ススから墨汁は出来るんです。

よく「墨汁(ニカワ)のタンパクを酵素を使って分解する」って
我々クリーニング業界では言われていますが、僕はその方法で取れた事が無いです。

また、墨汁には漂白剤は効きません。
墨汁は不溶性のシミと言いまして、水にも油にも溶けないのです。
凄く細かい砂粒みたいなものですね。それが繊維の間に入って出てこなくなるんです。

そういえば、伊藤家の食卓という番組で、「墨石鹸を使って墨汁のシミを取る」って方法が
出ていましたね。墨石鹸を塗って洗うだけという簡単なものでした。
テレビでは取れてましたね。時間が経ったり、一度洗ったものは駄目みたいです。

今回は、学生服に付いてしまった墨汁の除去です。
他にも、ポスターカラーやペンキが沢山ついているんです。
学生服は、ペンキの付く確率が一番高いですよね。学校祭などのイベントで付くんでしょうね。

  before         after 墨汁の染み抜き墨汁の染み抜き2

 

 

 

↑クリックで大きい画像が見られます

 

僕は墨汁は、嫌いです(笑)時間も沢山かかります。
昔は墨汁の染み抜きを、ご飯粒を塗りこんでしてたんですって。凄いですよね。
まあ、墨汁で書いた1000年とか前の掛軸とかも残っていますから、強力なんですよね。
 
墨汁の除去に効く薬品もちらほら有りますが、特効薬はまだ無いんですよ。
墨汁のシミ100%抜けます!って言いたいな〜。
今は、墨汁の除去率80%程度ですね。

 

当店への、衣類の送付方法はこちらからどうぞ



simiken4374 at 21:12|Permalinkclip!

ビンテージジャケットの染み抜き

僕の考えは、ビンテージ=古い。

この仕事をするようになって、ビンテージと聞くと恐怖する(笑)

 

このジャケットは、1950年ぐらいのLEEのGジャンです。

全体的にシミがあり、もちろん何のシミかは判らない。

しかも、後ろにはプリント付き。

「はぁ〜」とため息が出るぐらいの重病患者ですね。

しかも、40万ぐらいの価値があるとか・・・・。

出来れば、触れたくない部類です(笑)

 

しかし、期待に応えるのが染み抜き屋としての生き方!

リスクの了承も貰い、あとは作業するだけです。

 

シミの形や、シミの付いている位置から血液のシミと判断。

酵素を使い、血液を分解して漂白処理でシミを抜く。

もちろん、キナリなので地色も真っ白に抜けます。

抜けた箇所に色を入れて、判らなくする。

本当に、大変な作業です。

 

  before         afterビンテージのジャケットの染み抜きAビンテージのジャケットの染み抜きB 

 

 

 

↑クリックすると大きいサイズで表示されます

 
ビンテージ品は、送る前に必ずお電話下さい
リスクの説明等、お話ししなければならない事があります。


 

当店への、衣類の送付方法はこちらからどうぞ

 



simiken4374 at 17:12|Permalinkclip!不明なシミ  | 血液の染み抜き

着物に付着したワインのシミ

「すいません、やっちゃったんですけど・・・・」

動揺したお客様からの一本の電話。

「パールトーンかけてたんですが・・・」

かなり同様している。

 

「どうしたんですか?染み抜きのご相談ですか?」

「そうなんです、赤ワインをエリにこぼしてしまったんです。」

 

内容は、知り合いとワインを飲んだ。

その時に、クシャミをしてしまいグラスのワインが飛んだというのだ。

「なるほど、たぶん大丈夫だと思いますよ。」

僕はそう答えた。

ワインは、酸化漂白が必要になる。

着物は、主に酸性染料という種類の染料で染められている。

その酸性染料が、酸化漂白で抜けるのだ。

 

よって、ワインと一緒に地色を抜く。

そして、色抜けした部分を同じ色に戻す作業が必要になるのだ。

 

広範囲でかかった場合、最悪染め直しが必要だが

今回は、狭い範囲。

十分、直せると思った。

染色も予定していたが、地色は抜けなかった。

シミだけを落とし、無事に終了。

 

  before         after着物の染み抜き着物の染み抜き2 

 

 

 

↑クリックすると大きいサイズで表示されます


 

当店への、衣類の送付方法はこちらからどうぞ

 



着物にボールペンが!染み抜き出来ます?

着物の染み抜きは、かなりの腕が必要になる。

クリーニング=染み抜きと思っている人も多いのではないだろうか?

 

着物は高価だ。

「これ以上、シミは抜けません。」

と紙が付いてきて

「はい、そうですか。」とはいかない。

 

何とかして、シミを取って欲しい。

そんな思いからインターネットで検索する。

当店は、そういうお客様が多い。

 

「お願いします。」「頼みます。」

そんな言葉が一番多いのが、着物の染み抜き。

 

今回は、ボールペンを着物に付けてしまったトラブル。

「これはもう駄目ですか?染み抜き出来ますか?」

かなり緊迫した様子で電話が来た。

 

詳細を電話で聞く。

「うん、これは大丈夫だな。」そう思った。

お客様に「落とせる可能性は非常に高いですね。」

と答えた。

いくら着物でも、いじっていないボールペンであれば抜ける。

着物は、自分でいじると、ほぼ色が抜ける。

なので、極力専門家に任せた方が良い。

当店は、色抜けの補正も承ります。

数日後、着物が送られてきた。

一部分で試験をする。大丈夫だ、キレイになる。

お客様は凄く喜んでくれた!

  before         after着物にボールペン着物にボールペン2 

 

 

 

↑クリックすると大きいサイズで表示されます


 

当店への、衣類の送付方法はこちらからどうぞ



January 30, 2007

蛍光ペンの染み抜き

蛍光ペンのシミは、以前まで僕の中でとても手ごわいシミだった。
しかし、剥離剤の存在により除去率が大幅にUPした。やはり研究は大事!

赤色系のシミには、基本的に酸素系漂白剤は効かない。
還元漂白が有効なのだが、還元漂白は色が抜けてしまう。

「染色補正すれば良いじゃん!」って言われそうだが、染色補正は本当に時間がかかるのだ。
「なんとなく判らなくする」のは意外と簡単なのだが、「100%わからなくする」
これを追求すると、時間の下敷きとなってしまう。

染色補正が出来る人ほど、色を抜かないようにするものなのだ。
めんどくさいの判っているからね(笑)
 
  before         after蛍光ペンの染み抜き1蛍光ペンの染み抜き2 
 
 
 
 
 
 

そこで、赤色のインクや蛍光ペンには、剥離剤を使用する。
「漂白剤じゃないの?」と良く聞かれるが漂白剤ではありません。

この蛍光ペンのシミは、(剥離剤+50度の熱)×5回で除去出来ました。


 

当店への、衣類の送付方法はこちらからどうぞ



ビンテージスカジャンの染み抜き

ビンテージスカジャンには、本当に泣かされる。

40年、50年前に作られたスカジャンは、本当に苦労する。

まず、どこからでも破れそう。

生地は弱っている。刺繍から色は出ている。ほつれもある。

しかも、ドライクリーニングでは全くキレイにならない。

なので、部分的に染み抜きをして最終的には水に落とす。

まあ、水洗いですね。

 

なので、リスクももちろんある。

お客様には、「このままで着用出きるのであれば、着用した方が良いですよ。」

と必ず説明する。

破損のリスクも必ず存在するからだ。

さらに、リブ部分から色が出るものも多い。

その色が止まらないんですよね、これが。

結局、スカジャン一枚で1日終わりって事も多々あった。

「良く判らないんですが、シミが出来ちゃって・・・」

そういう問い合わせも多い。

大体は、中綿の汚れが雨などによって出てきた物だ。

なので、中綿の汚れを取りきらないと、また同じ事になる。

 

  before         afterスカジャンの染み抜きAスカジャンの染み抜きB 

 

 

 

↑クリックすると大きいサイズで表示されます


スカジャン、ビンテージ品を送る前には必ず連絡を下さい。

リスクの説明等、色々お話します。 

 

当店への、衣類の送付方法はこちらからどうぞ

 



simiken4374 at 17:05|Permalinkclip!不明なシミ  | 水染みの染み抜き
January 29, 2007

顔料製品の染み抜き

「すいません、ボンドのシミなんですが抜けますか?白○舎に出しても駄目だったんですが・・・。」
品物を見ると、スカートにボンドがベットリ付いている。

正直、ボンドや瞬間接着剤はそんなに難しいシミではない。
僕は、「大丈夫ですね。落ちますよ!」と軽く返答した。

「チョッとやってみましょうか?」と実演染み抜きを始めた。
染み抜きをしようと思った瞬間、シミの一部に違和感を感じた

「あれ?なんか変だぞ?黄色が強い?染色してある?」

そう思ったのだが、「NHKさんが居るから良いところ見せないと!」
と染み抜きをした瞬間、色がズッポリ抜けた。水しか使っていないのに。

「やられた!顔料製品だ!」

※顔料とは、凄くわかりやすく言うと「色が付いた砂粒染め」。染料ではない。
 染み抜きの物理的圧力で砂粒が流れ脱色する。染み抜き屋の強敵!

でも、お客様は「どうですか?やっぱり駄目ですか?」と・・・。

僕は「直りますね。大丈夫ですよ!」とポーカーフェイス。
内心、「ここまで大きくボンドが付いていたら、かなりの脱色補正を覚悟しなければ。」と思った。

これは僕の推理だが、たぶん白○舎も脱色させてしまったのだ。
で、ビックリしてあわてて染色したのだが、色が合わずにそのまま納品したのだ。やられた。。。

何が問題かというと、時間だ。正直、2時間コース間違いなし。

横で見ていたNHKさんは、「本当に直るんですか〜?」と明らかに疑っている。

その時は、顔料と染料の話は一切しなかった。
脱色は小さければ、何とかなるんです。でも、今回はでかすぎる。

でも、男は引けない時がある!意地を見せるのです。

NHKさんが帰った後、衣類の修正作業に取り掛かった。
まず、ボンドを除去しなければならない。
ボンドを抜くと、顔料が抜ける。最小範囲で処理していく。

色々考えたが、顔料製品を脱色させずにボンドを抜く方法が浮かばない。
誰か知っている人が居たら教えて〜。

それでも、かなりの大きさになってしまう。ちょっと、具合も悪くなる。めまいもする。
脱色の写真は、ボンドを抜き終わり脱色しているスカート。これから染色補正をしていく。

写真ではわかりにくいが、黄色い染料を抜く作業からはじめる。
白く見えるが、微妙に黄色い。これは、先人者が染色した染料だ。コンチクショー!

その後、下地をピースで作る。そして、筆で染色していく。
ほとんど、プラモデルの世界である。でも、僕はプラモデル作れないんですがね(笑)

  before         after脱色修正1脱色修正2 

 

 

 

 


で、2時間半後やっと修正完了!ほとんどわからない状態まで修正できた!
でも、写真ではわかりにくいが微妙にキワが付いてしまった。
まだまだ腕が未熟だ。修行が足りん。

ここで、衣類メーカーさんにちょっと言いたい事がある!
顔料製品作るのは良いが、その後のケア方法も考えて欲しい。

なんでもかんでも「クリーニング店・専門店にご相談下さい」では無理だっちゃ!
しかし、品質表示に「顔料製品です」と書いているメーカーさんは、まだ許せる。
一応、クリーニング店に気を使っているって事ですからね。

また、消費者にも説明が必要ですね。
「ボールペンのシミを抜いたら脱色します」とかって品質表示に書いて欲しいですね。

あと、いくら品質表示に「これは、風合いの変化を楽しむ商品です」って書いても
買った本人は、そうは思っていないの!クリーニングに出せば新品になると思っているの!

クリーニング店 VS 衣類メーカーの戦いですね。
でも、一番は消費者ですから、お互いに歩み寄りが必要だと僕は思います。

色堅牢度の話など、書くと長くなるのでまた今度にします。

当店への、衣類の送付方法はこちらからどうぞ