January 2007
学生服に付いた墨汁の染み抜き
僕も、正直好きなシミじゃありません(笑)
我々クリーニング業界では言われていますが、僕はその方法で取れた事が無いです。
墨汁は不溶性のシミと言いまして、水にも油にも溶けないのです。
凄く細かい砂粒みたいなものですね。それが繊維の間に入って出てこなくなるんです。
出ていましたね。墨石鹸を塗って洗うだけという簡単なものでした。
テレビでは取れてましたね。時間が経ったり、一度洗ったものは駄目みたいです。
他にも、ポスターカラーやペンキが沢山ついているんです。
学生服は、ペンキの付く確率が一番高いですよね。学校祭などのイベントで付くんでしょうね。
↑クリックで大きい画像が見られます
昔は墨汁の染み抜きを、ご飯粒を塗りこんでしてたんですって。凄いですよね。
まあ、墨汁で書いた1000年とか前の掛軸とかも残っていますから、強力なんですよね。
墨汁のシミ100%抜けます!って言いたいな〜。
今は、墨汁の除去率80%程度ですね。
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ビンテージジャケットの染み抜き
僕の考えは、ビンテージ=古い。
この仕事をするようになって、ビンテージと聞くと恐怖する(笑)
このジャケットは、1950年ぐらいのLEEのGジャンです。
全体的にシミがあり、もちろん何のシミかは判らない。
しかも、後ろにはプリント付き。
「はぁ〜」とため息が出るぐらいの重病患者ですね。
しかも、40万ぐらいの価値があるとか・・・・。
出来れば、触れたくない部類です(笑)
しかし、期待に応えるのが染み抜き屋としての生き方!
リスクの了承も貰い、あとは作業するだけです。
シミの形や、シミの付いている位置から血液のシミと判断。
酵素を使い、血液を分解して漂白処理でシミを抜く。
もちろん、キナリなので地色も真っ白に抜けます。
抜けた箇所に色を入れて、判らなくする。
本当に、大変な作業です。
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着物に付着したワインのシミ
「すいません、やっちゃったんですけど・・・・」
動揺したお客様からの一本の電話。
「パールトーンかけてたんですが・・・」
かなり同様している。
「どうしたんですか?染み抜きのご相談ですか?」
「そうなんです、赤ワインをエリにこぼしてしまったんです。」
内容は、知り合いとワインを飲んだ。
その時に、クシャミをしてしまいグラスのワインが飛んだというのだ。
「なるほど、たぶん大丈夫だと思いますよ。」
僕はそう答えた。
ワインは、酸化漂白が必要になる。
着物は、主に酸性染料という種類の染料で染められている。
その酸性染料が、酸化漂白で抜けるのだ。
よって、ワインと一緒に地色を抜く。
そして、色抜けした部分を同じ色に戻す作業が必要になるのだ。
広範囲でかかった場合、最悪染め直しが必要だが
今回は、狭い範囲。
十分、直せると思った。
染色も予定していたが、地色は抜けなかった。
シミだけを落とし、無事に終了。
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着物にボールペンが!染み抜き出来ます?
着物の染み抜きは、かなりの腕が必要になる。
クリーニング=染み抜きと思っている人も多いのではないだろうか?
着物は高価だ。
「これ以上、シミは抜けません。」
と紙が付いてきて
「はい、そうですか。」とはいかない。
何とかして、シミを取って欲しい。
そんな思いからインターネットで検索する。
当店は、そういうお客様が多い。
「お願いします。」「頼みます。」
そんな言葉が一番多いのが、着物の染み抜き。
今回は、ボールペンを着物に付けてしまったトラブル。
「これはもう駄目ですか?染み抜き出来ますか?」
かなり緊迫した様子で電話が来た。
詳細を電話で聞く。
「うん、これは大丈夫だな。」そう思った。
お客様に「落とせる可能性は非常に高いですね。」
と答えた。
いくら着物でも、いじっていないボールペンであれば抜ける。
着物は、自分でいじると、ほぼ色が抜ける。
なので、極力専門家に任せた方が良い。
当店は、色抜けの補正も承ります。
数日後、着物が送られてきた。
一部分で試験をする。大丈夫だ、キレイになる。
お客様は凄く喜んでくれた!
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蛍光ペンの染み抜き
しかし、剥離剤の存在により除去率が大幅にUPした。やはり研究は大事!
還元漂白が有効なのだが、還元漂白は色が抜けてしまう。
「なんとなく判らなくする」のは意外と簡単なのだが、「100%わからなくする」
これを追求すると、時間の下敷きとなってしまう。
めんどくさいの判っているからね(笑)
「漂白剤じゃないの?」と良く聞かれるが漂白剤ではありません。
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ビンテージスカジャンの染み抜き
ビンテージスカジャンには、本当に泣かされる。
40年、50年前に作られたスカジャンは、本当に苦労する。
まず、どこからでも破れそう。
生地は弱っている。刺繍から色は出ている。ほつれもある。
しかも、ドライクリーニングでは全くキレイにならない。
なので、部分的に染み抜きをして最終的には水に落とす。
まあ、水洗いですね。
なので、リスクももちろんある。
お客様には、「このままで着用出きるのであれば、着用した方が良いですよ。」
と必ず説明する。
破損のリスクも必ず存在するからだ。
さらに、リブ部分から色が出るものも多い。
その色が止まらないんですよね、これが。
結局、スカジャン一枚で1日終わりって事も多々あった。
「良く判らないんですが、シミが出来ちゃって・・・」
そういう問い合わせも多い。
大体は、中綿の汚れが雨などによって出てきた物だ。
なので、中綿の汚れを取りきらないと、また同じ事になる。
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顔料製品の染み抜き
「すいません、ボンドのシミなんですが抜けますか?白○舎に出しても駄目だったんですが・・・。」
品物を見ると、スカートにボンドがベットリ付いている。
正直、ボンドや瞬間接着剤はそんなに難しいシミではない。
僕は、「大丈夫ですね。落ちますよ!」と軽く返答した。
「チョッとやってみましょうか?」と実演染み抜きを始めた。
染み抜きをしようと思った瞬間、シミの一部に違和感を感じた
「あれ?なんか変だぞ?黄色が強い?染色してある?」
そう思ったのだが、「NHKさんが居るから良いところ見せないと!」
と染み抜きをした瞬間、色がズッポリ抜けた。水しか使っていないのに。
「やられた!顔料製品だ!」
※顔料とは、凄くわかりやすく言うと「色が付いた砂粒染め」。染料ではない。
染み抜きの物理的圧力で砂粒が流れ脱色する。染み抜き屋の強敵!
でも、お客様は「どうですか?やっぱり駄目ですか?」と・・・。
僕は「直りますね。大丈夫ですよ!」とポーカーフェイス。
内心、「ここまで大きくボンドが付いていたら、かなりの脱色補正を覚悟しなければ。」と思った。
これは僕の推理だが、たぶん白○舎も脱色させてしまったのだ。
で、ビックリしてあわてて染色したのだが、色が合わずにそのまま納品したのだ。やられた。。。
何が問題かというと、時間だ。正直、2時間コース間違いなし。
横で見ていたNHKさんは、「本当に直るんですか〜?」と明らかに疑っている。
その時は、顔料と染料の話は一切しなかった。
脱色は小さければ、何とかなるんです。でも、今回はでかすぎる。
でも、男は引けない時がある!意地を見せるのです。
NHKさんが帰った後、衣類の修正作業に取り掛かった。
まず、ボンドを除去しなければならない。
ボンドを抜くと、顔料が抜ける。最小範囲で処理していく。
色々考えたが、顔料製品を脱色させずにボンドを抜く方法が浮かばない。
誰か知っている人が居たら教えて〜。
それでも、かなりの大きさになってしまう。ちょっと、具合も悪くなる。めまいもする。
脱色の写真は、ボンドを抜き終わり脱色しているスカート。これから染色補正をしていく。
写真ではわかりにくいが、黄色い染料を抜く作業からはじめる。
白く見えるが、微妙に黄色い。これは、先人者が染色した染料だ。コンチクショー!
その後、下地をピースで作る。そして、筆で染色していく。
ほとんど、プラモデルの世界である。でも、僕はプラモデル作れないんですがね(笑)
で、2時間半後やっと修正完了!ほとんどわからない状態まで修正できた!
でも、写真ではわかりにくいが微妙にキワが付いてしまった。
まだまだ腕が未熟だ。修行が足りん。
ここで、衣類メーカーさんにちょっと言いたい事がある!
顔料製品作るのは良いが、その後のケア方法も考えて欲しい。
なんでもかんでも「クリーニング店・専門店にご相談下さい」では無理だっちゃ!
しかし、品質表示に「顔料製品です」と書いているメーカーさんは、まだ許せる。
一応、クリーニング店に気を使っているって事ですからね。
また、消費者にも説明が必要ですね。
「ボールペンのシミを抜いたら脱色します」とかって品質表示に書いて欲しいですね。
あと、いくら品質表示に「これは、風合いの変化を楽しむ商品です」って書いても
買った本人は、そうは思っていないの!クリーニングに出せば新品になると思っているの!
クリーニング店 VS 衣類メーカーの戦いですね。
でも、一番は消費者ですから、お互いに歩み寄りが必要だと僕は思います。
色堅牢度の話など、書くと長くなるのでまた今度にします。
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