マッキントッシュクリーニング
マッキントッシュの脱色直し
「クリーニングをお願いします。」
そう言って、当店を訪れてくれた女性のお客様。
カウンターの上で品物を見る。
「お客様、これは脱色でしてクリーニングでは元には戻りませんよ。」
僕は、動揺させないように優しい口調で話した。
しかし、お客様は動揺。
「え!そうなんですか!汚れて白くなっているのかと・・・」
悲しそうな表情。
「でも、色を入れれば元に戻りますよ。クリーニングというか、お客様はこのポケット付近の白いのが気になるんですよね?」
「そうなんです!」
「では、それほど汚れていないですし部分的に色を入れる形でどうですか?」
お客様から、色を入れることでOKを貰った。
僕らプロは、脱色と汚れが判る。
でも、一般の人には区別は難しいだろうね。
お客様は、グレーが白くなった部分が気になったのだ。
しかし、クリーニングという言葉しか一般的ではない。
だからクリーニングと言ったのだ。
マッキントッシュは、ゴム樹脂で加工されているコートだ。
撥水効果は優れているが、摩擦での脱色や樹脂劣化が起こりやすく
かなり注意が必要なコート。
ポケット周りに、慎重にエアピースで色を入れていく。
キレイに治ってよかった〜!
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マッキントッシュクリーニング、染み抜き
今回のマッキントッシュは
いつも当店を利用してくれるお客様からの依頼だ。
「マッキントッシュにシミを付けてしまった。何とかなります?」
けど、表情は「大丈夫なんだろ!」である(笑)
まあ、当店を使ってくれているお客様は時間と共にそんな風に変わっていく。
シミを見てみると、食べこぼしだと思う。
それも、でんぷん質に思える。
「まあ、大丈夫そうですね。」
僕もニコッと返答する。
マッキントッシュで怖いのは、シミの下が脱色している事が多々ある。
色堅牢度は強くなく、摩擦なんかでも脱色する。
確かに、紺色なので襟元の白いシミは目立つ。
クリーニングは今回は必要ないと感じた。
なので、部分的な染み抜きで処理。
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マッキントッシュクリーニング、エリの染み抜き
今日、マッキントッシュのコートを持ってこられたお客様がいました。
自分で中性洗剤エリを拭いて、黄ばんでしまったとの事。
※ショップなどで、そのように言われるそうですが絶対にやめて下さい!
よほどの達人じゃない限り自分での処理は不可能です。大怪我します。
本州(北海道弁)にマッキントッシュクリーニングの専門店があるので、
そこに送ったが駄目だったそうです。
また、「まったく状態が変わらないのにお金だけ取られた」とも言っていました。
それってどうなんですかね〜?いいんでしょうか?
男前の好青年のお客様で、「駄目だったら捨てるんで」と寂しそうな表情でした。
何とかしてあげたい!(別に男が好きなわけではありません)
そう思い現在、格闘4時間目。「当店は、シミが落ちなければ料金頂きません!」
とうたっているので、一円にもならないかも知れませんが、そんなことどうでもいい〜!
しみ抜きは、推理戦です。
「このシミは、○○が付いているから、水素と反応させて除去しよう」
とか、衣類に付いている物質を推理し化学的に除去します。
このマッキントッシュの黄ばみは、中性洗剤だけでは無いと思います。
本州のクリーニング店が、何らかの薬品を使って色素が定着しているのではないかと思います。
推理戦に勝利し、絶対にシミを落とす!負けないぞ。
明日納品の品物、まったく手付かずです。
徹夜ですねこりゃー。ま、個人事業主なんでしかたないですね〜。
長い戦いが終わりました。
理由はわかりませんが、酸化油的な物質に化学変化していたと思われます。
トータル20時間かかりました。
まあ、乾かす時間とかもありますから実質15時間ぐらいですね。
けど、お客様に電話をして「ありがとうございます!」と言われ疲れが飛びました。
こりゃ儲からんわ・・・・・
マッキントッシュにも色々あります。
しかし、ほぼ共通している点が「洗えない」という点です。
まず、ドライクリーニングは出来ません。
だって、布と布がボンドでくっついているんですよ!縫ってないんですよ!
一度、気合入れてドライクリーニングで洗った事があります。
マジで、パーツごとにバラバラになりました。ソデ・エリとかに!
そのあと、半無きで組み立てました。でかいガンプラですよ。
ただ、今回の20時間は非常に意味がありました。
まず、ボンドが耐えられるシミヌキ剤・薬品・温度が全て把握出来ました。
これは、Kさんが「駄目だったら捨てるんで、おかしくなっても良いからやって」
と言ってくれたおかげです。
今までは、腫れ物に触るようにしかマッキントッシュを扱えませんでしたから・・・
しかし、洗えない服を洗うというのは勇気が要ります。
メーカーが「洗えないよ」って言うって事は、なんかあるんですよね?たぶん。
しかし、僕の経験上、めちゃめちゃ大変ですが、水洗いは出来ます。
すぐ水キワになるし、色は多少変化します。
しかし、洗濯表示を見ても「汚れたら中性洗剤で拭いてください」って書いてるんですよね。
たぶん、100人やったら99人失敗すると思います。
これは、ビジネスチャンスなのかなと思いました。
通常のクリーニング店で洗えないって事は、皆さんどうしてるんでしょう?
20万も出して買ったコート使い捨てですかね?そんなわけないですよね。
ネットで調べたら「マッキントッシュ洗えます・しみ抜きできます」ってクリーニング店ありました。
けど、本当に洗える店はごく一部だと思います。
残りの店は、空気かけてホコリを飛ばす程度でしょう。実際にそういう店はありますし、知っています。
詐欺まがいっていうか、詐欺ですよ。えらい儲かります。利益率99%です。原材料:空気。
明日、札幌のルイ・ヴィトンに営業に行こうと思います。
「お客様は困っています。当店を紹介してください。」って言います。
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